冒頭のあの兵士は実は
第1話で、平和な生活を切り裂いた調査兵団の帰還。8割が未帰還、帰り着くも傷付いた兵士達。
そして場に響き渡る「なんの成果も!!得られませんでした!!」という団長の慟哭。平和な光景は極めて脆く、壁一枚挟んだそこには絶望が広がっている。
『進撃の巨人』の登場人物達が置かれた厳しい状況を痛いほどに表したシーンですが、このとき叫んでいる団長が、他でもないキース・シャーディスなのです。
彼は経験豊富な兵士であり過酷な壁外調査から何度も生還した優秀な人物でしたが、団長としては成果を上げることができないままいたずらに兵士達を戦死させてしまい、結果歴代の調査兵団団長としては初めて生きたままその立場を辞した人物となりました。
その後任がかのエルヴィン・スミスです。
「特別ではない人間」として
キースはかつて、自分は何かを成し遂げることができる特別な人間であると信じ、突き進んでいた過去がありました。
その思いが強すぎるあまり、愛するカルラに心ない言葉を投げつけてしまったこともありました。
しかし多くの部下を死なせながら何の成果も上げられず、結果自分は単なる凡人に過ぎないという大きな挫折を味わうことになるのです。
自身を「傍観者」と位置付け負い目や劣等感を抱え続ける彼が、しかしエレン達に与えた影響は決して小さくありません。
キャラクター達の過去にも注目すべし!
『進撃の巨人』は細部にまで伏線が張り巡らされており、登場人物のバックボーンも非常に重厚です。
キースも単なる教官ではなく、エレンと浅からぬ因縁を抱えた人物であると同時に、1話で作品の世界観を嫌と言うほど教えてくれる作品の重要人物なのです。
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