古文書には記述がない神様
日本の神様は、日本書紀や古事記といった古文書に何らかの情報が記載されているものですが、瀬織津姫に関する記述はありません。
その代わり、神道で唱えられることが多い祝詞のひとつである大祓詞に、瀬織津姫に関する内容があります。瀬織津姫は主に川や海など、水に関する神様として知られ、水が様々なものを清めるように、人の汚れを清めるとされています。
そして、伝説の女神として、瀬織津姫を祀っている神社は日本全国に数多くあります。水の神ということで、川の氾濫や水難事故から守ってくれる龍神と混同される場合も珍しくありません。
天照大神と繫がりが深いとされる
瀬織津姫は、天照大神と深い繫がりを持つ神様として扱われることが多いです。天照大神といえば、日本の最高位の神様です。
その天照大神と繫がりを持つということで、瀬織津姫は重要な立ち位置にいると考えられます。そして、どのような繫がりなのかは、地域や書籍によって様々です。そのひとつに、天照大神が封印された姿という説があります。
日本の神様は、穏やかな姿と攻撃的な姿の2通りがあるとされることが多いです。そして、荒ぶる天照大神が封印され、穏やかな姿になったのが瀬織津姫だとする説です。表と裏の関係であり、同一視される形です。
また、瀬織津姫が、天照大神の后だという説もあります。ただ、天照大神は、女神として知られています。けれど、瀬織津姫が后だとすれば、天照大神は男神ということになってしまいます。そのような経緯から、天照大神を男神にするわけにはいかないので、日本書紀や古事記には記録が残せなかったという可能性があります。
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