今さら人に聞けない、心肺停止と死亡の違いを徹底調査

知識

心肺停止とは

心肺停止とは、心臓の機能が止まっている状態のことで、心停止とも言います。

心肺停止が起きる原因の多くは急性心筋梗塞で、不規則に心室が震える心室細動によって心肺停止となります。

心肺が停止すると血液が全身に流れなくなるため、脳をはじめとする臓器が障害を受けます。したがって一刻も早く、心肺を蘇生させる必要があります。

心肺蘇生の方法

心肺蘇生には、胸骨圧迫(心臓マッサージ)、人工呼吸、AEDを使用するなどの方法があります。

胸骨圧迫は、胸骨と呼ばれる部分を5センチほど沈むような強く圧迫を30回ほど繰り返します。人工呼吸は傷病者の気道を確保し、息を吹き込み、自然に息が傷病者の口から出てくるのを待つ方法です。胸骨圧迫や人工呼吸をしても反応がない場合には、AEDを使用して電気ショックをおこないます。

総務省消防庁の令和2年の調査によれば、心肺停止になった人のうち、救急車を待つ間、胸骨圧迫やAEDの電気ショックを受けて救命できた人は53.6%もいました。

しかし、119番通報のみの救命率は9.3%、119番通報と胸骨圧迫では13.8%しかなく、AEDの使用が心肺蘇生に非常に有効であることが分かっています。