穏やかなのになぜか怖い
太陽の光を背に、神格化されたような姿でシシガミは登場します。ぱっと見は鹿のような形をしていますが、顔は鹿ではありません。
赤い顔色の老人のような表情で、少し笑っているようにも見えます。穏やかな表情でありながら、なぜか畏怖や恐怖を感じさせる不思議な顔です。生命をつかさどっていることから、見る側の意識も怖さに影響しています。
命を与えたり、吸い取ったりする神様は、恐れ多い存在として人間の目にも映るからです。もののけ姫・サンも、尊敬と畏怖の念を持ってシシガミのことを語っています。
目が合うと動けなくなる?
もののけ姫・サンとアシタカの前に姿を現すシーンでは、水の上を歩きます。人間や動物とは、重さの概念が違うのかもしれません。
そして地面を歩くシーンにも注目です。シシガミが地面を踏みしめると同時に、大地の草木が一気に生命力を増します。そして足が離れたら、急速に枯れていきます。
命を与えもし、奪いもする獅子神の象徴的なシーンです。小山に刺された枝葉にシシガミがそっと息を吹きかけると、一気に枯れてしまいました。
アシタカの命を助けてくれますが、呪いはそのままです。呪いを解く力まではないのか、あえて残したままにしたのかはこの時点でわかりませんでした。
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