妄想代理人とは
「妄想代理人」について、ネタバレのストーリーを含めてご紹介します。アニメ「妄想代理人」は2004年にWOWOWで放送された、全13話のサスペンスホラー作品です。通称、少年バットによる一連の事件と真相が描かれます。
事件はキャラクターデザイナーの鷺月子が、少年バットに襲われたことによって始まります。月子は、世間を席巻する人気キャラクター「マロミ」をデザインした人物です。月子を襲ったのはローラーブレードの、野球帽を被った不気味な少年でした。
同様の事件はその後も続き、犯人は少年バットと呼ばれるようになります。
事件を捜査していた刑事の猪狩慶一と馬庭光弘は、被害者に共通点があることに気づきます。被害者は全員、追い詰められた人たちでした。
最初の被害者、月子は新キャラクターのプレゼンが迫ってもアイデアが浮かんでいなかったのです。
月子の事件に目撃者が現れ、月子の事件は狂言として処理されます。
模倣犯の少年、狐塚の自殺の責任をとって2人の刑事は警察を辞職します。事件を追い続けていた馬庭は月子の実家で、月子が10年前にも少年バットに似た犯人に襲われていたことを知ります。
この事件は犬の散歩中に月子がリードを離してしまったことが原因で犬が車にはねられ、責められるのが怖くて月子がついた嘘でした。
月子が生み出したキャラクターマロミは、このとき死んだ犬と同じ名前です。
記号の町に紛れ込んでいた元刑事の猪狩は「居場所のない現実がオレの本当の居場所だ」と悟り、現実世界に戻ってきます。
幼い自分がしたことのすべてを思い出した月子がマロミに「ごめんね」と謝ると、少年バットは「さよなら」とつぶやいて消えました。
月子の妄想の影響を受けて破壊された現実世界も数年をかけて復興し、白髪となった馬庭が道端に数式を書き連ねるシーンで物語は終わります。
作品にちりばめられたヒント
「妄想代理人」には物語の鍵を握る、謎のシーンが多数あります。
2番目の被害者津川を襲ったあと、少年バットは月子の元を訪れ「ただいま」のメッセージを残して去ります。
月子が持っているマロミのぬいぐるみは、月子にだけ話しかけてきます。
被害者の絶望的な状況を聞くほどに力を増してたくましい男の姿になる少年バットは、被害者が現実に立ち向かおうとすると力を失って逃亡しました。
新しいキャラクターができないことで月子をなじったデザイン会社のチーフ鳩村が事故死した現場には、怪物の姿になった少年バットがいました。
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