レンが死亡した経緯と背景
レンはこの漫画に登場する人気バンド「TRAPNEST(トラネス)」のギタリストです。
そして主人公の1人である大崎ナナがボーカルをつとめるバンド「BLACK STONES(ブラスト)」の元メンバーであり、ナナの現在の夫でもあります。
トラネスとブラストは同じ地元でインディーズ活動をしていましたが、トラネスがメジャーデビューすることになった際、レンはトラネスに引き抜かれてしまいます。
レンの恋人であったナナはレンへの断ち切れない愛情と、先にメジャーデビューを果たしたレン(とトラネス)に対する嫉妬を抱きながら、数年後単身上京。
その道中で出会ったのがもう1人の主人公である小松奈々です。2人はひょんなことから一緒に生活することになりさまざまな出来事から絆を深めていきます。
その過程でブラストは東京で再結成。トラネスとも交流を持つようになり、ナナはレンと再会して再び恋人関係に。
その後ブラストは念願のメジャーデビューを果たします。
レンとナナは結婚して、全てが順風満帆に進んでいるかのようにも見えました。しかし、ナナはデビュー以降バンド活動が上手くいかない焦り、親友である奈々がトラネスのリーダー・タクミと結婚したことに対するショック、レンが自分よりトラネスを優先している不安などから精神が不安定に。
レンはそんなナナを支えたいと思う一方、トラネスをないがしろにすることもできず、また密かに中毒になっている覚せい剤も止めることができません。
お互いを大事に想いながらもナナとレンの溝は深まっていきました。そんな中、レンの薬物を止めさせようとレイラは独断で帰郷。
ボーカル不在でトラネスの活動がストップしている中、レンはレイラを迎えに雪の日に車を走らせます。そのレンの車を週刊誌記者の車が追いかけました。
レンは記者の車をまくためにさらに車を走らせますが、途中かつてナナと暮らした倉庫にナナの幻を見、猛スピードで突っ込んでしまい…。
レンは突然の交通事故でこの世を去ったのです。
NANAの伏線回収
イギリスのパンクバンド・セックスピストルズのベーシストであるシドとその恋人ナンシーをご存知でしょうか。
NANAは連載当初からレンをシド、ナナをナンシーに見立てたような描写が随所に散りばめられていました。
原作ファンの多くはそのことに気が付き、「物語の中で2人はいずれ死んでしまうのではないか」という感想もささやかれていました。
ナンシーは後に刺殺体で、シドはさらに数か月後に麻薬の過剰摂取で死亡しています。
レンも薬物に手を染めている部分、そして若くして亡くなる部分がシドとリンクしています。物語の伏線の1つが回収されたと言っても良いでしょう。
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