ゲンの友人ムスビが中毒者になったひろぽん
はだしのゲンに登場するゲンの友人であったムスビが中毒者になり、我慢できずにゲン達の目の前で使おうとしたシーンが記憶に残っている人もいるのではないでしょうか。
ムスビは原爆孤児で、ゲンの親友のひとりでした。ムスビはある日、入店したバーのマスターに総合ビタミン剤であるとだまされ、ひろぽんを注射されてしまいます。
これがきっかけでムスビは薬物中毒者になってしまい、最後はひろぽんを盗むために侵入したマスター宅で暴行を受け、息を引き取りました。
これはまさにひろぽんの中毒性を象徴するようなシーンといえるでしょう。
作業効率を上げるビタミン剤として誕生
昭和16年、ひろぽんは「体力増強」「倦怠感や眠気の除去」などの効果によって作業能率アップが期待できると謳われ、発売されました。
原材料のほとんどがメタンフェタミンで、これは麻薬の原料として使用されているものです。ひろぽんの効果は3~12時間ほど強い高揚状態が継続し、その間は睡眠、飲食をしません。
実際のところ、肉体は睡眠も飲食も欲しているのですが、覚醒状態に陥っているため、本人は気づかないというわけです。
しかし、効果が切れたときには激しい疲労感、倦怠感、焦燥感のほか、抑うつ状態になっていることも多く、その状態から逃れるために中毒性が増します。
ひろぽんは気分をシャキッとさせる薬「覚せい剤」と呼ばれるようになっていきました。
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