どろろは打ち切りになっていた?!映画化もされた名作が未完といわれる理由を考察

漫画・小説

どろろのあらすじ

どろろの原作は1967年に少年サンデーで連載されていました。

時は室町時代。戦乱の時代です。武将・醍醐景光は強さを得たいと鬼神に願います。そして、恐ろしい取り引きに応じます。

産まれてくる我が子の体を魔物に差し出す代わりに、戦乱の世でのし上がる強さを手に入れるのです。産まれてきた我が子は肉の塊で、それでも生きていました。

景光は子どもを殺すよう妻・縫の方に命じますが、縫の方は子どもを殺すことができずに川に流します。子どもは拾った医者の手によって、人間の形になり、百鬼丸と名付けられました。

成長した百鬼丸は魔物を倒す旅に出ます。魔物を倒す度に、失われた体の一部が戻り、48の魔物を倒すことができれば、百鬼丸は人間に戻れるのです。

タイトルのどろろは化け物という意味で、百鬼丸が村人に言われてしまう言葉です。しかし百鬼丸は旅の途中でこそ泥に出会い、この男のふりをする女の子のこそ泥が、どろろという言葉を気に入り、自身の名前にするのです。

どろろは百鬼丸がどろろと共に、失われた体を奪い返すための旅を続ける、という物語です。

連載当時は受け入れられなかった?!

漫画の神様といわれる手塚治虫ですが、当時どろろは受け入れられませんでした。

魔物を倒すシーンは残酷で、グロテスクな描写も多く少年サンデー向きとは言えませんでした。

百鬼丸を拾った医師の元には治療を望む妖怪が集まり、百鬼丸は妖怪たちから自身の出生の秘密を知ります。また、どろろは男のふりをしていましたが、女の子で、実は百鬼丸の失った体をつなぎ合わせて作られていました。

そのことに気づいた百鬼丸はどろろを殺すか悩みます。どろろを殺せば失われた体が戻るからです。

このグロテスクな発想と描写、難解な設定は受け入れられず、子どもに読ませたくない漫画だといわれていたのです。

人気もなく、第一部が完結した状態で連載は打ち切りになりました。その後、月刊誌の冒険王で続編が描かれ、こちらは最終回まで描かれますが、打ち切りゆえの詰め込んだ、無理やりに結末を作ったかのような終わり方をしました。