第三者を拒絶する孤島の住民たち
インド洋に浮かぶ小島、北センチネル島は外部との接触を拒む地域として知られています。自然災害に見舞われた際、領土権を持つインド政府が航空機で支援物資を投下しようとした際、島の住民は矢や槍で攻撃を仕掛けたほどです。
また、2018年には島への上陸を試みたアメリカ人の宣教師が住民に殺害される事件も起きました。過去には遭難によって島に漂着した漁民が殺害されたこともあり、これらの事件から住民は好戦的で危険な性格と見なされたのです。
しかし、島の住民は最初から好戦的だったのではなく、19世紀にイギリス人の探検家が島へ上陸した際は友好的な態度だったと言われています。
探検家が帰国する際に複数の住民が同行しましたが、島の外へ出た後に病気を患い、そのまま死んでしまいました。このことから島の住民は外の世界の人間が災いをもたらしたと思い、排他的な姿勢を見せるようになったと言われています。
接触を試みる動きとやらせの疑惑について
完全に外界と隔絶しているわけではない
排他的で外部の人間との接触を拒むイメージがある北センチネル島ですが、実際は完全に拒絶しているわけではありません。1991年、2度にわたってインドの研究チームが住民とのコンタクトを図りました。以前から島の住民は排他的ですぐに攻撃を仕掛けることが知られていたため、研究チームが無傷で帰還したことに多くの人が驚いたと言われています。
ココナツを土産として渡したのが住民に好印象をもたらしたというのが定説ですが、島の住民は女好きであり、チームの女性研究員に興味津々だったのですんなりと受け入れたという噂があります。もっとも、女性研究員が具体的に何かをされたわけではないため、住民が女好きという説は噂の域を出ていません。
ドローンによる空撮の信ぴょう性
2020年に動画サイトで北センチネル島の空撮映像と称する動画が公開されました。ドローンで撮影したとされる動画には深い森の中でカメラを怪訝な表情で見上げる、浅黒い肌をした複数の人が映っています。
北センチネル島の詳細が分かる貴重な資料と好意的な意見が出る一方、映っている人の動きがぎこちないことから動画はやらせである、あるいは北センチネル島の排他的な住民というイメージそのものが嘘であるとの説も出ました。
しかし、公開された動画はブラジルのアマゾンに住む部族を撮影した物という説もあることから、必ずしも北センチネル島の動画とは言い切れないのです。
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