「おばあちゃん」の後味の悪さ
あまりに身勝手なおばあちゃん
おばあちゃんは、死ぬ前に一度だけ会いたい人がいるから、一時的にミホの元気な身体を貸してほしいと言いました。
しかし、必ず帰ってきてというミホの言葉を無視して、おばあちゃんはミホの身体を返さなかったのです。
山奥の寂しい病室で息を引き取ったのは、おばあちゃんではなく、自分の身体を預けたミホだったという結末に、視聴者は後味の悪さを拭いきれませんでした。
哀れに見えたおばあちゃんが、孫の善意を踏みにじり、若い身体を奪ってのうのうと生き続けたからです。
生き延びる目的は別にあった
おばあちゃんは弟に会えたら目的を果たせて未練が無かったはずです。
しかし、おばあちゃんは自分に酷い仕打ちをした嫁に復讐するため、ミホに身体を返さなかったのです。ミホになりすましたおばあちゃんは、嫁の介護をすることになり、復讐を果たしたのでした。
私怨のために孫の好意を利用したおばあちゃんの悪辣さに視聴者は呆れ果ててしまうのです。
おばあちゃんの最後の望みをかなえるために自分の身体を貸した孫の美談だと思って見ていた人は、ひどく裏切られた気分だったでしょう。
「おばあちゃん」は意外性が評判となった秀作
世にも奇妙な物語のホラードラマは、だんだん怖がらせる展開が多いと言われます。
しかし、「おばあちゃん」は最後まで視聴者に感動物語だと思わせておいて、エンディングで大ドンデン返しを見せるところが出色と言えるでしょう。
本格的なホラーを求める人には、秀逸なドラマとして好評なのです。
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